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【元主将による一年間の振り返り】

大阪府立大学ハンドボール部の納塚 駿です。

 

最初に、世界的に流行し猛威を振るった新型コロナウイルスと共存する新たな生活様式が、現在、社会全体で実践されつつあると存じます。不自由さもありますが、身の安全は何物にも代えられないと心得ております。皆様は日々いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、本題に入りまして、2019年5月8日から始動した大阪府立大学ハンドボール部72代目としての活動は、本日、2020年5月31日をもって終了とすることとします。

 

主将に就任した際に述べた、「~3部から再び2部へ~ かつての舞台に返り咲き躍動する」 という新チームの目標とそれを実現するために「守破離」をスローガンとして掲げて歩んできたこの1年を振り返ると、多くの辛酸を舐め続けた1年だったと感じます。2つの定期戦に勝利できず、秋季リーグでも入れ替え戦に惜敗し、目前のところで夢潰えました。

 

再び前を向いて発進してきた秋以降の活動も3月で大学の方針により停止せざるを得なくなり春季リーグや6月に暫定的に予定されたその代替試合も相次いで中止に。多くの部員が目標に届かず、不完全燃焼な思いを残すことになったと感じます。

 

これに対しここからは、主将としての私個人の心情を書かせていただきます。定期戦をはじめとするチームの運営初期のころは、結果が出ないことと自分の意思や考えがうまく伝わっていないことが多く、焦りをはっきり感じていました。これまで10年以上の競技歴の中で1度も主将経験はなく、「人の上に立ち人を動かす」ということの難しさを知らなかったのが大きかったと思います。

 

このような状況から脱却し、良い方向に自身の流れを変え始めるきっかけになったのは、お世話になった2人の先輩、前々主将の田中さんと前主将の花市さんの存在です。どちらの年の間も、試合に出るメンバーの1人だったにも関わらず、主将としての御2人の働きに気付けたのは自分が同じ身分になってからでした。引退後練習に来てくださった際も、よく後輩達にアドバイスしていただける姿をお見かけします。

 

試合で司令塔としてたしかなプレーを発揮しチーム先導する田中さんと、言葉で部員の心を動かし精神的支柱としてチームに欠かせない花市さん。不器用な私は、それぞれの良い面だけを取るようなことはできないため、両方のスタイルをやり通すことを心掛けてきました。練習や試合の中で、チームの誰よりも先頭に立って背中を見せ続け、時には、周りの様子にも目を配り、事細かく言葉を選んで物事を伝えてきました。スローガンの「守破離」の理念も忘れず実践していき、今までの大阪府立大学ハンドボール部になかったモノをたくさん導入し改革を進めてきました。

 

「納塚のワンマンチーム」「独裁体制」と揶揄されることもありましたが、迷いはありませんでした。自分なりのスタイルを見つけ、秋季リーグ3部2位、得点ランキング3部3位(56点)といった、チームそして自らの結果にこだわることができました。

 

しかし、身体は追いついておらず、秋季リーグの終盤でケガをしてしまいました。それでも、入れ替え戦では皆が心配してくれる最中、最後までコートに立ち続けることを選びました。春季リーグに再びプレーできることを期待しながら秋以降は、チームから離れて己と向き合う時間がありました。この期間、私が抜けた影響は少なくなかったでしょうが、副主将の大湾や村井、そして3回生メンバーが懸命にチームを引っ張ってくれました。年明けからチームに復帰した際は、一緒にコートには立てないものの、秋前より広い視野でチームを観察しチームに必要なことを丁寧に考えることに尽力してきました。

 

上述しましたように、最終的には入れ替え戦を最後に、2019〜2020年のシーズンに私がプレーできたのは半年だけでしたが、入部当初から試合に出場し先輩方にいる中で多くの我儘を通させていただき主将としての1年間も、これまでのハンドボール人生を集約することができて、貴重な経験をさせていただきました。コロナウイルスの影響もあり、活動期間は削られリーグ戦も1度しか訪れず、田中さん、花市さんの年のように最後を勝利で飾ることはできませんでしたが、これまで積み重ねてきたモノは、また次のステージで新しく目標に懸命にチャレンジしていくための力にしたいと思っています。

 

明日、来月から、主将を3回生の古林に引き継ぎ、新しいチーム体制となります。私含め4回生4名は秋まで現役続行するので、引退するその瞬間まで、大阪府立大学ハンドボール部の一員として新しく舵取りを行う3回生にできるうる限りのサポートと、後輩指導や自らを高める日々を続けていきたいと存じます。

 

最後になりますが、4回生を代表し御礼の言葉と代えさせていただきます。1年間の活動を応援してくださったOBの皆様、保護者の皆様、試合の折には熱い応援で盛り上げてくださった大阪府立大学応援団の皆様、活動する上で助言やサポートをしてくださった顧問の吉井先生、その他関係者各位の皆様、本当にありがとうございました。
また、私についてきてくれた4回生、そして後輩達にも感謝の意を伝えたいと思います。ありがとう。

 

一時期より落ち着いたコロナウイルスによる大変な時期まだまだ続きますが、今後とも大阪府立大学ハンドボール部への応援よろしくお願いいたします。

 

大阪府立大学ハンドボール部 元主将 納塚 駿